剣士の過去に近づいていくヒーロー ウルトラマンジード 第9話「誓いの剣」

 ライハの過去について明かされた影響なのか、今回の話はライハのモノローグから始まって、そしてこれまでのライハを振り返るような回想だった。
 考えてみたら最初はリクを疑っていたけど、彼の運命を知っていくうちに、互いに信頼関係を築きあげていった。もうそろそろ物語も折り返しに入るから、なんだか最初の頃が懐かしくなってしまう。
 そしてゼロの敗北と復活劇を描いた前後編の直後だからか、OPではゼロビヨンドとニュージェネレーション組が登場するようになった。もしかしたら、オーブ達もジードの物語に登場してくれるのかなと期待してしまう。

 レイトはマユがテレポーテーション能力を獲得してしまった悩みを、リクとライハに打ち明ける。娘の異変に関する重大なことだけど、妻のルミナや周りの人間に言えないからこの二人以外に頼れる人間はいないんだよね。
 ライハはマユの身体からリトルスターの反応を検出する際に、使っていたスマホからカラータイマーらしき音が鳴っていた……実際に目覚まし時計にも使われていたから、カラータイマーの音の便利さが伺える。
 例えマユのリトルスターが原因で怪獣が現れて、ジードとゼロが戦ったとしても、ライハが言うように大元のケイやべリアルをどうにかしない限り、また同じことが繰り返されるんだよね。

 一方で、AIBではゼナとモアがケイの経歴について調べ始めた。もしかして、ウルトラマンと怪獣の戦いが始まったことがきっかけで、SF作家であるケイにも何らかの疑いを持つようになったのかな。
 事実、ケイの物語はあまりにもよくできすぎているくらいだし、何よりもケイの講演会の狙ってギャラクトロンが現れた。ネクサスのナイトレイダーやMPも秘密裏でよく調査をしていたから、同じシチュエーションになったらケイを疑いそう。
 そしてモアは6年前に起こった怪獣ひがいによる犠牲者を調べている内に、ライハが唯一の生存者であることを知った。この死亡者の中に薩摩次郎の名前があったけど、かつてセブンが助けた地球人と全く同名だ……ヒーローが現れなければ次郎は助からなかったと考えると、なんだか悲しくなる。

 ケイを捕えればべリアルに辿りつくことができると考えたゼロの提案によって、マユは星雲荘に招待されることになった。ここに留守番をしているペガは本格的に地球人の子どもと出会うことになったけど、悲しいことに逃げられた……実際、ヒーローショーのイベントでも怪獣を怖がる子どもはたまにいるね。
 ペガが言うように突然すぎたし、ペガがちょっと気の毒だった。でも、ライハのおかげで仲良くなれたし、マユと一緒に造花作りをしているペガはとってもかわいかった。そしてレムの存在はマユにとってどう扱われるかな。姿は見えないし、お化けと扱われてもおかしくない。
 そして星雲荘に隠れたマユを狙って、かつてウルトラマンタロウを始めとした暴君怪獣タイラントが出現した。何気にタイラントはウルトラマンサーガやウルトラゼロファイト、そして最近でもウルトラファイトオーブに登場してゼロの前に立ちはだかったから、何気にゼロとの因縁も深いかもしれない。

 ジードはタイラントに立ち向かうけど、タイラントの強さは歴代通り。やはり簡単に勝てる相手ではない。何気にイカルス星人の耳から光線を発射させたタイラントは、今回が初かもしれない。他の怪獣の能力も使ってくれないかと思うけど、震災後の時代だからシーゴラスの津波能力は流石に不可能かも。
 そしてゼロも登場して「マユには指一本触れさせねえ!」と大きく啖呵を切っていたけど、もう本当に主人公であるジードを食ってしまいそう。この番組のサブ主人公だけど、もしもこのまま本来の能力を取り戻してしまったら、本気でジードの立場が危うくなりかねない。そういう意味では、レオに登場したセブンの立ち位置は正解なバランスだったのかも。
 ゼロビヨンドになって、あのゼロツインソードすらも二刀流になった。勢いのままタイラントを倒して、マユは自分の娘だと言い放った。似たようなものとゼロは言ったけど、やはりレイトが言うようにマユは「レイトの娘」であるべきだよね。そこは譲らなくてもいいよ。

 2話以降、久しぶりの登場になったスカルゴモラとジードは戦った。初期のころと比べて、ジードも大きく成長したのか、スカルゴモラに苦戦することもなく勝利を納められた。
 そんなジードの元にライハが駆け付けて、またライハが心配になってマユも現れた。ライハはずっと待っていたチャンスが来たとマユに言ったけど、マユからすれば復讐を知らないからライハのことが心配になるのは当然。復讐を理解すること自体、無理なことだと思う。
 そしてマユのライハを助けてという願いを受けて、マユのリトルスターであるゼロのウルトラカプセルがリクの元に渡った。レイトがゼロと一体化した影響で、娘のライハにもゼロのウルトラカプセルが宿ったのかな。

 マユはライハから過去を聞いて、6年前の怪獣災害で両親の命を奪った男はケイであることをライハは語った。確かに自分の両親を一方的に、そして身勝手な理由で奪われては復讐にも走りたくなる。ネクサスの西条凪やコスモスのナガレ、それにガイアの柊准将も怪獣への復讐心を燃やしていたから。
 それにしてもライハは距離が随分離れていた橋に現れたケイの姿を目撃していたけど、もしかしたらリトルスターで視力が向上してたの……かな? だけど、ウルトラマンタロウに出てきた民間人が人間とは思えないような身体能力を発揮したエピソードがいくつもあったから、あまり突っ込むのは野暮かもしれない。

 ライハはケイを対峙して、リトルスターを持つ人間の命を奪うつもりはないのは、目当てのリトルスターすらも破壊する危険を減らす為。確かにリトルスターはこの戦いでは重要なカギを握っているので、その判断はとても真っ当だ。
 そしてライハはその剣術をいかして、あと一歩という所までケイを追い詰めた。6年もの間、背負い続けた覚悟と憎しみこそが勝因で、淡々と戦いを楽しんでいるようなケイには勝てなかった。
 そのままライハはケイの命を奪おうとしたけど、頭の中に聞こえた声によってその手が止まってしまう。けど、実際にライハがケイの命を奪ってしまったら、ライハの心に大きな闇を抱えてしまい、そこをべリアルに付け入られそうだから、ライハは助かったのかもしれない。

 この戦いをゼナとモアは密かに監視していて、ケイの正体に辿り着いた。ゼナはレイトを見て何かを察したような様子だけど、もしかしてTLTが姫矢を拉致したようにレイトがこの先狙われるかもしれないと考えると、ちょっと不安になる……
 ゼロはケイを見て、ストルム星人の名前を呟いていたけど、名前の由来はラテン語で星や星座を意味するアストルムなのかな? ケイがSF作家であることと絡めているのなら、実に自然かもしれない。ちなみにレオの弟であるアストラも、ラテン語ではほとんど同じ意味を持っている。

 今回はバトルそのものは結構スピーディーに終わった印象があるけど、その分だけマユやケイを通じてライハの過去やペガが人間と触れ合う為の新しいチャンスを描けてくれたのが面白かった。あと、ケイの暗躍の影で、その動向を掴もうとするAIBも物語に絡み始めている。
 リクはライハの涙を始めて見たように、考えてみたら今まで描かれてきたライハの姿は戦士としての部分だけだから、弱々しい所を見る機会は滅多になかった。ただ彼女の過去や背負ってきた感情を考えると、弱い姿を見せられないのかもしれない。
 自分の力を超えた不思議なものに導かれるのかもしれない。リクが最後にこう語ったように、この作品にはリトルスターという自分の力を超えたものに導かれる人が多くいて、最後には救われた。ウルトラマンであるリクも、その力でどんな運命に導かれるのかがとても楽しみ。


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