風来坊となるヒーローの名前は ウルトラマンオーブ 第2話「土塊の魔王」

 放送日 2016年 7月16日

 脚本 小林雄次

 監督 田口清隆

人々に知れ渡るウルトラマンオーブ

 ジェッタは20年後の自分にビデオレターを送って、将来の自分は成功していることを心から信じて、ウルトラマンオーブとの出会いを喜んでいるかのように語る。こういう願掛けは微笑ましくて、実際にやる気を出すのに一役買ってそう。
 そしてアパートの床で寝ていたシン曰く、肩こりや腰痛に効果があるらしい。調べた所、実際に効果はあるらしいけど、体質によって違うとのこと。なので、実際にやってみる際には注意しないといけない。
 SSPのサイトにザラブ・デスレムと過去の宇宙人の名前が載っていて、更にはタイ古代のマッサージの広告まであった。タイと聞くと、どうしてもあのウルトラマン達やハヌマーンを思い出してしまう。でも現代では復活できないよね……

 動画やニュースサイトのアクセス数を意識している辺り、かなり今どきの風習を掴んでいるように思える。第一話の脚本家である中野氏も、SSPは動画サイトにハマっている子を意識したと語っていた。
 そしてあの風来坊は銭湯の前でラムネを飲みながら、通りかかった子どもにかつての思い出を語る。ラムネのビー玉を空けてあげているけど、実は結構子ども好きでもあるかもしれない。

 平和な日常をぶち壊すように、高層ビルの地盤沈下が起きて街に騒ぎが起きる。こういう時、ネットで様々な憶測が出てくるのも、現代の流れを上手く掴んでいる。多少突飛な意見でも、ウルトラマンの世界なら実際に起こり得るから一概に否定できない。
 SSPは調査を意気込むけど、ナオミだけはバイトに行くハメになってしまう。夢を意気込んでいても、現実的に考えて収入のことも考えなければ生活を維持することは不可能だよね。やむを得ない……

地底に眠るは土ノ魔王獣

 地盤沈下したビルの跡地に風来坊は訪れて、その地下深くに眠る魔王獣の存在を察知した。身体能力は勿論のこと、こうしたエスパー能力が備わっているだけに、やはり常人を遥かに超えた能力を誇っているんだね。
 そんな彼の元に一徹が現れて、素直に敬意を示している。得体のしれない男ではあるけど、根底は礼儀正しい性格であることが窺い知れる。根は真面目なんだよね、この人は。
 人気のないビルの地下で、黒づくめを纏った男が佇んでいて、テレスドンのカードを使ってマガグランドキングの呼び出そうとする。続いてアントラーのカードを使おうとするも、そこに現れるのはあの風来坊。
 テレスドンとアントラーが選ばれたのは、初代ウルトラマンに登場した地底の怪獣だからかな。

 ジャグラーと呼ばれた黒づくめの男は、風来坊を嘲笑う。そして土ノ魔王獣が活動を再会して、またしてもビルが沈没する! 龍脈に沿っているせいで、ビルが沈んでいるとシンは推測する。龍脈と聞くと、どうしてもウルトラマンガイアのミズノエノリュウを思い出してしまう。
 シンからナオミは連絡を受けるも、ジャグラーの姿を見つけて彼の後を追いかける。気になるのはわかるけど、バイトをすっぽかすなんて凄い度胸だね。仕事中の電話といい、後で怒られても文句は言えない行為を連発しすぎ……
 そしてナオミはジャグラーに見つかり、危機に陥ってしまうも……風来坊が駆け付けてくれた! 二人は何者なのかとナオミは問い詰める。幸せよりも世界の真実を知りたいと語るのは、ネクサスやSEVEN Xを思い出す展開だった。

ウルトラマンオーブは立ち向かう

 

 風来坊によってナオミは助け出されるも、その瞬間にマガグランドキングが地底より蘇る! それに立ち向かう為にウルトラマンオーブに変身したけど、前回のマガゼットンに続いて序盤から連続して強敵と戦うことになるとは。次回作のジードもそうだったけど。
 ビルの中からオーブを見つめたり、また地面からオーブを見上げるようなカメラワークはどこか坂本浩一監督を思い出す構図だった。この二人は互いに影響を与えあっているんだね。
 オーブはスペリオン光線を放つけど、マガグランドキングは微塵にもひるまない。かつてウルトラ兄弟を苦しめた頑丈な肉体は今作でも顕在みたい。加えて、ビルに風穴を開けるレーザーも恐ろしい……

 マガグランドキングの光線はガラスによって反射されているのを見て、オーブはバリアを貼ることで光線を防いで、そして反射させた! するとマガグランドキングの装甲が深く抉られて、そこに狙いを定めたオーブはスペリオン光線を放ち、見事撃破した。
 SSPはその戦いを祝福し、そしてジャグラーは薄気味悪い言葉と共にマガグランドキングのカードを手に取っている。彼にとっては、この勝利すらも予想の範囲だったかもしれない。例えマガグランドキングが負けたとしても、他にも手札はいくらでもあるだろうし。
 風来坊はウルトラマンタロウのフュージョンカードを見て、彼の働きに敬意を示した。マガグランドキングを封印したのがタロウだったのは、やっぱりウルトラマン物語での因縁があったからなのかな。いつか何らかの形で、歴代のウルトラ戦士が魔王獣を封印する場面も映像で見てみたい。

平和な夕焼けを見守る男の名は

 ビルが崩壊したものの、その災害に負けないで建設に励む人々の姿を見守りながら、風来坊はラムネを飲んでいる。冒頭に出てきた子どもの為に、再びラムネのビー玉を取ってくれた。今度は成功した。こうして触れ合っている姿を見ると、彼の懐の深さが理解できる。
 そんな彼の元にSSPのメンバーが現れて、再び真実を問われる。しかし風来坊はそれをあっさりと流して、再び夕焼けへと去っていく。「俺の名はガイ……クレナイ・ガイ」と名乗りながら……

 今回はガイとジャグラーの因縁について掘り下げながら、SSPがこの二人と関係を持ち始めるようになる回だった。それでいてグランドキングの驚異的な力や、その破壊の爪痕もしっかり描写されているので見ごたえがあった。
 ガイとラムネを飲む少年との触れ合いはほんの少しだったけど、そんな限られた時間の中でも相手への敬意を絶対に忘れたりしないのが素敵。小林雄次氏も、視聴者との距離を縮める為にこうしたシーンを入れたと語っている。確かに日常の些細な一時があるからこそ、その尊さに説得力が出てくるからね。


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