風来坊となるヒーローが疾風となる ウルトラマンオーブ感想 第5話「逃げない心」

放送日 2016年 8月6日

脚本 小林弘利

監督 アベユーイチ

ナオミの危機

 誰もいない公園の中に置き去りにされていた可愛らしいぬいぐるみを見つけて、ガイはマガゼットンとの戦いで失った少女の存在を思い出す。この戦いで起きた大爆発のモデルは1908年にロシアのツングースカ川で起きたツングースカ大爆発だと、小林氏は語っている。
 ナオミはアルバイトを終わって帰宅しようとするけど、ナオミの身を心配してくれて「若い女の子は徹夜したら駄目だ!」と言ってくれるこの監督は理想の上司だ……ブラック企業が問題となっているこのご時世だから、こういう人の存在は本当に尊い。
 そしてナオミのスマホに「宇宙人を見た」という電話がかかってきて、喜々として現場に急行する。ジェッタとシンにも連絡をしたけど、不憫にも気付かれなかった。しかもシンは自分の研究に没頭したままという……やっぱりナオミは不憫な目に遭うのがお約束か。
 ナオミは謎の少女と合流して、闇に覆われた工場の地下に潜入する。彼女達の前に待ち構えていたのは……ハイパーゼットン! 発見と同時に少女は本性を現して、自分がゼットン星人であることを明かした。ナオミは逃げようとするけど、壁にぶつかったせいで気絶してしまう。やはり不憫。
 

地下に忍ぶ悪意の正体とは

 ぬいぐるみをSSPの元に届けに来たガイ。一方でジェッタとシンはそれぞれの未来に対する価値観を語り合っていた。未来を予測しようとするシンと、未来は自分で作り上げていくものだと語るジェッタ。予測できれば将来の危機を回避できるし、自分で素晴らしい将来を作る。どちらの言い分もよく分かる。
 ガイは裁縫道具が訪ねたけど、やはり風来坊なら自分で裁縫ができるようになっているのかな。そしてジェッタには妹がいて、妹の為によく裁縫していたらしい。ぬいぐるみを落とし主に届ける為にネットを利用する細かい気配りも素晴らしいし、オーブという作品が実に人情味で溢れていることが感じられる。
 ナオミからの連絡を再生した途端、ガイ達はナオミの危機を知った。そんなナオミはゼットン星人によって囚われの身となってしまっている。ゼットン星人が女子高生の制服を着ているという光景は実にシュール……擬人化計画とはまた別の意味でインパクトに残ってしまう。

 ゼットン星人はナオミに叫べと煽り、ハイパーゼットンは未だ吠えている。そしてナオミを救う為に、オーブニカを奏でながらガイが登場した。当人はひねくれ者を自称しながら、ゼットン星人の魔の手からナオミを救ってくれる。ハイパーゼットンからナオミを庇った際に火球をまともに浴びたけど、ダメージだけで済んでいるから素の状態でも相当強いことが伺える。
 「大切な女がいる」というゼットン星人の嘲りを否定しながらガイはナオミに一人で逃げろと言う。当人は「他人と関わるのが面倒」と言っているけど、やはり過去の戦いが相当トラウマになっているんだよね。オリジンサーガの頃から、ガイは何度も失う経験をしてきたし。無茶と勇気を間違えるなという台詞も、オリジンサーガを見てからだと説得力を増す。
 死んじまったら、どんな謎も解き明かせない。そう言いながら、ガイはウルトラマンオーブ スぺシウムゼぺリオンにフュージョンアップをして、ハイパーゼットンの前に立った! 初代ウルトラマンの力がゼットンと立ち向かう構図には50年の因縁を感じずにはいられない。

ハリケーンスラッシュが闇を斬る!

 スペリオン光輪を防がれてしまい、ガイはジャックとゼロのフュージョンカードを使い、ハリケーンスラッシュにフュージョンアップした! ジャックとゼロもゼットンとは強い因縁があるんだよね。そういう意味ではハリケーンスラッシュの初戦がゼットンであるのは理に適っている。
 その身軽な動きでハイパーゼットンを翻弄して、思いっきり投げ飛ばしたりもした。ナオミの視点からすればいつ巻き込まれるかわからないし、実際にウルトラマンと怪獣の戦いが起きたらどうなるかがとてもリアルに描かれている。これは巨影都市にも活かされているのかも。
 オーブスラッガーランスでハイパーゼットンの火球を防ぎ、オーブランサーシュートで圧倒しながら、ビッグバンスラストで見事にハイパーゼットンを撃破した! だけどガイの戦いはまだ終わらず、ゼットン星人との立ち回りに挑んだ。アクション映画風味の「ワチャー!」は石黒氏のアドリブで、面白かったから即採用されたみたい。こういう遊び心もオーブの面白い所。

自らの運命を切り拓く決意

 ゼットン星人の弾丸を初代ウルトラマンのフュージョンカードで弾き返し、見事に勝利を果たした。ゼットン星人はガイを倒せば名が上がると言って、その為にナオミを利用したとのこと。ゼットン星人がナオミが特別な存在と見抜いていたけど、この時点ではジャグラーも同じ感想を抱いてたりするのかな。
 SSPに対してゼットン星人は「この星に侵略する価値はない」と言い放った。既に地球は腐りかけていて、いずれ自分からこの星を捨てると嘲笑いながら、ゼットン星人は消滅した。マックスのメトロン星人も地球人に失望して去ったけど、確かに地球は
 それでもナオミは逃げないと決意表明をして、去りゆくガイと繋がろうとする。ナオミの「美味しいもの」という言葉に惹かれてしまう辺り、ぶっきらぼうに振る舞っていても本質的にはガイは割と気さくなのかもしれない。この時にマッシュルームが出てきた理由は、ロシアの中で庶民的な食べ物だからとSPECIAL NOTESのインタビューで書いてあった。

ひとりぼっちのぬいぐるみと少女の笑顔

 ナオミの持つマトリョーシカを自分自身に被らせてしまうガイ。ガイはいくつもの姿を持っているけど、この頃のガイは本当の自分は空っぽだったと自嘲していた。余裕を持っているように見えても、本当は怖がりだったりもするのかもしれない。
 ぬいぐるみの持ち主である少女が現れて、アンナちゃんという名前のぬいぐるみはようやく少女の手元に戻った。この時、安堵の笑みを見せてくれたから、子どもの笑みを守りたがっていることがわかる。ウルトラマンフェスティバル2016でも、タイニーバルタンの願いを聞き入れたことがあるから。


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