放送日 2017年 11月25日
脚本 森江美咲
監督 冨田卓
リクとペガの喧嘩
リクと共に過ごしてきた相棒・ペガとの絆を描いたエピソードだった。これまでペガはリクにとっての理解者としての一面が強かったけど、ペガ自身の過去や地球に来た理由については何も語られていなかったから、この辺りで二人の関係をおさらいしたのか。
ペガのリクに対する想いや、ライハやモアのように巡り会った地球人達との思い出も振り勝った冒頭の後は、星雲荘でドンシャイングッズを並べていた場面はとても微笑ましかった。この二人にとって、この一時は当たり前になっているんだね。
でも星雲荘に地震が襲い掛かり、その拍子にペガはドンシャインのレアな目覚まし時計を壊してしまい、リクは激怒してしまう。そしてリクとペガは大喧嘩をしてしまい、ペガは家出をしてしまった……リクとペガの喧嘩は今まで見たことがなかったから、結構新鮮だった。ペガの怒る目つきもちょっと可愛らしい。
街を出歩くペガ
一方で伊賀栗家は釣りを満喫していたようだけど、レイトの体は痺れていた。そのせいで一日安静にすることになったものの、苦しみながらも妻子の心配をしてくれるレイトはやはり父親の鏡だ。だからこそルミナもレイトを心配してくれたんだろうし。
リクは壊れた目覚まし時計を直そうとするけど、全然上手くいかない。ライハは「ペガに任せた方が良いんじゃない?」と言うけど、リクも意地を張って自分で修理しようと奮闘する。確かにリクが機械の修理をしている場面はあまり見たことがないから、こういう場面も珍しく感じた。
そして肝心のペガは街に出て、買い物やウインドウショッピングを満喫してた。人ごみに隠れて密かにお金を渡していたり、リトルウィッチアカデミアを意識したような鼻歌も披露していた。藩めぐみ氏は主人公のカガリ・アツコも演じていて、そして近日中にゲームも発売されるからパロディをしたのかな?
事実、藩めぐみ氏本人もTwitterで意識したような呟きを発している。
今週のペガのアドリブコーナー
『ワックワク〜のドッキドキ〜♪』
あの子のオマージュ…はわわわ…!#ウルトラマンジード pic.twitter.com/bOMeGGGjRG
— 潘めぐみ(HAN MEGUMI) (@han_meg_han) 2017年11月25日
TVではレイトだけでなく、火浦海岸に来ていた多くの人が怪獣の被害でしびれ被害に遭っていたと専門家は語る。長年の勘を根拠にしていたけど、それは専門家としてはどうなのか……
リサイクルショップでペガはドンシャインの目覚まし時計を見つけて、壊れそうになった所を見事にキャッチする! だけどその拍子に見つかってしまい、リサイクルショップの店主から追いかけられる羽目に……
ライハの言葉から今日がバイトであることをリクは思い出して、反射的にペガの名前を呼んでしまう。そして外に出て、階段をつまづくと同時に表情を曇らせる。そこにモアが現れて、リクの表情から何かを察した。やはり彼女もペガとは違った意味でリクの理解者だから、リクの異変もすぐに察するのかもしれない。
ペガとリクの出会い
地球人から迫害されて、宇宙人である自分が受け入られていない事実に落ち込みながらも、ペガはたった一人で彷徨う。そして6年前、リクと初めて出会った場所に辿り着いた。ペガを見ても微塵も驚かず、むしろ瞳を輝かせるのは特撮オタクの性なのか。
そしてペガは自分を磨く為に放浪の旅に出たけど、カプセルが壊れたせいで帰る道がわからなくなったらしい。もしかして、最近出てきたペガのウルトラカプセルのことなのかな。そんなペガの境遇に共感したのは、生まれ故郷がわからないリクだからこそなのかな。
リクはペガのことを知って、そしてドンシャインのような強くて優しいヒーローのようになりたいと宣言しながら、リクとペガのコンビが結成された。ヒーローに憧れているリクにとって、宇宙から迷っていたペガこそが最初に守った大切な存在とも言える。
リクとペガの絆
リクとペガの話を聞いて、モアはそれに羨望を抱いていた。モア曰く、リクは元々他人行儀なタイプで、どこか寂しそうにしていたみたい。でも、ペガがリクの傍にいてくれたから、元気に会話するようになった。
やっぱりモアは年上の異性だからちょっと接し方がわからないけど、同い年(?)の男の子であるペガだからこそリクも気が合ったのかな。
ライハとモアの進言で、リクはペガを探しに走る。この時、ライハとモアが密かにアイコンタクトをしていたワンカットが微笑ましい。この二人も徐々に絆が芽生えていることに感激する……
グビラを守る為に
ペガを捜すリクもまた、ペガと出会ったあの場所に辿り着いた。グビラに襲われてしまい、踏み潰されそうになるけど、そこに颯爽とリクが駆け付けてくれた! ずっと一緒のコンビだからこそ、ペガの居場所がわかったとリクは語る。
グビラの光からリトルスターがあり、それが原因で苦しんでいるとペガはリクに伝える。リクがグビラの真意を理解したけど、その途端に地面からペダニウムゼットンが出現した! ケイはリトルスターをグビラもろとも破壊しようと企むけど、リクはウルトラマンジードのフュージョンライズをしてくれる!
今回、ゼロが戦線に立てなかったのはレイト本人に安静が必要だったからなんだよね。流石にレイト本人が動けない以上、変身だってできないだろうし。
ジードはペダニウムゼットンの魔の手からグビラを守る為に戦う。だけどペダニウムゼットンはやはり強く、ジードはロイヤルメガマスターにフュージョンライズをした。この姿なら有利に戦えているけど、前回の戦いでデータを収集したのかジードの必殺技に上手く対応している。
やはりリクだけじゃなくケイも成長している。流石に後がない状況だから、事前に敵のデータを集めて戦うのは理に適っているね。過去でもガッツ星人やナックル星人はウルトラマンのデータを集めた上で勝負を仕掛けて、そして一度は勝利したし。
そしてペダニウムゼットンはジードを追い詰めるけど、そこにグビラがリトルスターの力を使ってペガに産むゼットンの動きを止めた! そしてジードはエースの力を使って、バーチカルスパークで見事に勝利を手にする。自分のことを守る為に奮闘したウルトラマンを助ける為に、怪獣が力を貸してくれるのはとても素敵だった。
やはりグビラも平和を脅かす怪獣ではなく、一緒に生きる仲間ということなんだね。このようなシチュエーションはガイアやコスモス、Xやオーブでも描かれたし。
それぞれの帰るべき場所
ジードのおかげでグビラは見事に海に帰ることができた。そしてリクとペガもお互いに仲直りをして、ペガはまたリクの影に帰り、そして壊してしまった時計をペガは見事に修理してくれた。
そしてペガと一緒にいるという当たり前の光景の大切さを認識しながら、いつか別れが来ることも予感する。けど二人の出会いに運命を感じながら、今の時間を大切にすることを決めた。それぞれの帰る場所こそが今回の話のテーマになったのか、EDにもリクとペガの日常が挟んでいて、二人の絆の深さにより説得力を感じさせた。
一方でダークルギエルとエンペラ星人のウルトラカプセルを狙うケイにとって、べリアルこそが帰る場所であって、それを守る為に戦うという点ではリクと共通しているかも。肝心のべリアルがケイを重要視しているとは限らないけど……