ヒーローに憧れるヒーローは……今、本当のヒーローとなる ウルトラマンジード 第25話 『GEEDの証』感想

 放送日 2017年 12月23日

 脚本 安達寛高

 監督 坂本浩一

 長きに渡るウルトラマンジードの物語と、そしてウルトラマンべリアルとウルトラヒーロー達の因縁に決着が付いた。
 そして、ようやく地球に平和な時が戻ってきた……

 

ゼロが見せる最後の意地

 ジードはアトロシアスを前にプリミティブで立ち向かい、そしてロイヤルメガマスターにフュージョンライズを果たしたけど……アトロシアスの力は圧倒的で、最早ロイヤルメガマスターすらも歯が立たない! 今のべリアルはかつて自分を封印したキングの力すらも利用しているから、ジードのロイヤルメガマスターすらも超える圧倒的な脅威となった。
 今のべリアルを見ていると内山まもる氏の手がけた『ザ・ウルトラマン』に登場するジャッカル大魔王をより彷彿とさせてしまう。ジャッカルもまた光の国を襲ったけど、キングの手によって一度は敗れて、そしてキングすらも上回る強豪として復活したから。ちなみに坂本浩一氏曰く、べリアルのモデルはこのジャッカル大魔王とのこと。
 だけどそんなべリアルを相手に、ゼロはネオ・ブリタニア号に乗っていた酵素ガスをアトロシアスに打ち込んだ! だけどゼロは反撃でべリアルの爪を受けてしまい、そのまま変身が解かれてレイトの姿に戻ってしまった……正直、ゼロが消えた時はレイトもそのまま命を落とすのではないかと不安だったけど、きちんと生きていたことに一安心。

 

奇跡! ウルトラの父

 ゼロが命を賭けてカレラン分子を消滅させた瞬間、宇宙の彼方から宇宙警備隊大隊長……ウルトラの父こと、ウルトラマンケンが駆け付けて、アトロシアスを封印した! そのおかげでジードは一旦撤退することができて、どうにか状況も立て直せた。
 考えてみたら、ケンもまたべリアルと深い因縁で結ばれているから、ジードの物語には不可欠と言える。ケンが宇宙警備隊の隊長になったことが、今のべリアルが生まれるきっかけの一つだし。
 そしてジードが再び戦えるようになるまで、あのアトロシアスを長時間足止めしていた結果を見ると、今作のケンもかなり強くなっていると言える。大隊長として、やはり修練を重ねているのかな。消耗したけど、カラータイマーは点滅すらしてないし。

 

残されたタイムリミットの中で

 レイトは倒れて、ケンのフォースフィールドも消滅してしまった……だけど、誰一人として絶望しなかった。リクとライハは互いに拳を合わせて、そして最後の戦いに挑んだ。
 リクはいつもとは違って落ち着いた口調でジードにフュージョンライズを果たしたけど、やはりいつも以上に頼もしかった。ゆっくりと、そして力強く歩みを進めながらウルトラマンになる演出もまた素敵で、客観的に見たらこうしてウルトラマンに変身するのだと感じさせる。
 ゼナもゼガンに搭乗したけど、この時はかつて教え子だったクルトを想っていたりしたかな。シャドー星の言葉を呟いていたから。
 アトロシアスによってゼガンは破壊されたけど、ゼナが次元の穴を開いてくれたおかげで、ジードも活路を開けた。敗北こそはしたけど、べリアルと戦う為に生み出されたゼガンがこの時になってようやく本来の使命を果たせたのは感慨深い。

 

果てしなき狂信を見届けるライハ

 もう残された命が僅かとなったケイを看取る為に、ライハは自分の全てを賭けて戦った。かつては憎しみに支配されたまま戦ったけど、今のライハはケイの全てを認めてくれた……
 決して許してはいないし、ケイ本人だって同情の余地はない根っからの悪人になってしまった。今だって純粋すぎるべリアルへの忠誠心を向けても、肝心のべリアルはケイのことを微塵にも気にかけていない。だけど、これは彼自身に対する報いでもある。
 そんなケイの想いを認めてくれたのが、弱者と見下していた地球人であるライハだけだったことは救いなのか? それとも、裁きも混じっているのか?

 

子は今、父の全てを受け入れる

 時空が歪んだ影響で地球は暗闇に包まれて、ジードとべリアルは最後の親子喧嘩を始めた。第一話と同じように、暗闇の中でジードがべリアルと戦うことは何の運命か。
 リクの諦めない想いにウルトラカプセルが応えて、これまで力の源になったウルトラヒーロー達もジードの戦いを見届けてくれている。ゼロとケン、セブンとレオ、コスモスとヒカリ、そして……初代ウルトラマンも!
 ジードとウルトラヒーロー達の想いが形となったように、これまでジードがフュージョンライズをした全ての姿が登場した! この演出はウルトラヒーローズEXPOやウルフェス2014で行われたコスモススペシャルイベントでも行われていたけど、実際に映像で見るとやはり嬉しい。
 魔法つかいプリキュアの劇場版でも、プリキュア達の全フォームが勢揃いする演出が行われていたけど、やはり絵的にも迫力が凄い……

 ジードはべリアルもろとも時空の狭間に飛び込んで、父の過去をようやく知るようになった。リクは自分がべリアルの息子とは知っていたけど、どうしてべリアルが悪の権化になったのかを全く知らなかったんだよね。
 べリアルの経歴や、ダークネスファイブの元にケイが訪れる場面。そしてウルトラファイトオーブでレイバトスを倒したジードは、実はべリアルだったことが判明。確かにあの場にジードが訪れては、色々と矛盾が出てしまうから仕方がない……?

 そしてべリアルの怒りや怨み、そして悲しみを知ったリクはその全てを受け止めて、父を抱擁した。キメラべロスにジードが取り込まれた時、べリアルはリクの孤独を理解したような口ぶりと共に抱き締めて、そのまま取り込もうとしたのとは対照的だ。今後は逆にリクがべリアルの孤独を理解したからこそ、父の本当の姿であるアーリーべリアルと向き合うことができた。
 でも、べリアルももう後戻りができなくなっていて、ただ戦うしかできない。最期に「ジード」と叫びながら、息子に敗れたべリアルの心境は果たしてどうだったのか?

 べリアルの決着としては全く新しく、ケンやゼロとはまた違った方向だった。ただ正義と悪の戦いという完全な二元論だった二人と違って、リクはべリアルを一人の人格として扱って、想いを寄せた。
 ケンやゼロの場合は互いの否定だったけど、リクは家族がいない孤独を背負ったからこそたった一人になったべリアルを理解することができた。巨悪であるべリアルを救えたのは、息子であるリクだけだったかもしれない……

 

新しいヒーローとなった朝倉リク

 平和を戻り、キングもようやく復活した! その隣に父も並んで、伝説の超人と大隊長が並ぶというかなり豪華なシチュエーションを見ることができた。『ザ・ウルトラマン』でもこの二人が並ぶコマがあったけど、映像化されるとより迫力が増してしまう。
 リクはドンシャインを子ども達に見せるけど、今の子ども達の憧れはウルトラマンジードになっていた! リクとしては嬉しいだろうけど、自分の憧れを古いと言われたら素直に喜べなさそう……

 最終回になって、いつも住んでいる星雲荘の秘密が一つ明かされた! ライハは星雲荘の修理を手伝う為にしばらくはいると聞いたモアがテーブルを叩いたら……なんと、自爆装置が作動した! もしかしてケイが機密情報を守る為に設置していたのかな?
 キングもケンも去って、ゼロもまた伊賀栗家との別れの時が訪れた。けど、あまりしんみりせずに、どこか穏やかでもあるのが彼ららしい……
 レイトは自信ないと言っていたけど、ルミナが言うようにレイトは何度も困難を乗り越えたから絶対に大丈夫。そこはゼロだってわかっているはず。そしてゼロもまた、マユの父親として成長した(?)

 そして夕陽の中、リク達は素晴らしい未来を信じてハイジャンプをして、ウルトラマンジードの物語は幕を閉じた……ただ、ゼナだけが相変わらずのポーカーフェイスだったことが妙にシュールだった。

 ジードが幕を下ろし、そしてウルトラマンオーブの闘いの記録を追う『ウルトラマンオーブ THE CHRONICLE』も放送が決定した! 劇場版ジードにガイとジャグラーが登場するから、それまでに向けたおさらいもあるのかな?
 今年の上半期にジードを導いたゼロの活躍を振り返った『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』が放送されたけど、もしやジードの次世代はオーブが関わってくる可能性も……期待できるかも。ただ、それならデザストロについても映像で見たい。

 

 リクを演じた濱田龍臣氏も感涙していて、ジードが本当の意味でヒーローになったことを多くの人が祝福してくれていた。
 ジードの物語は一区切りがつくけど、いつかまたリク達と出会えると信じている。これから始まるEXPOや劇場版だけじゃなく、ウルトラマンが続く限りジードもまたみんなに愛されていくから。


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“ヒーローに憧れるヒーローは……今、本当のヒーローとなる ウルトラマンジード 第25話 『GEEDの証』感想” への2件の返信

  1. 早速、来ましたー!!

    確かに、ベリアルの子・リクだったからこそ、ベリアルを理解し、倒すことができたのはあると思います。
    まぁ、あの展開はめちゃくちゃ驚いたけれども。

    そして、超空間さんが言うように息子に倒されたベリアルはどんな心境だったんでしょうねぇ。
    「さすが俺の息子」と誇らしく思ってくれるとベリアルも見直すんだけれど。

    1. コメントありがとうございます!

      初めは自分が力を得る為だけに戦う舞台をお膳立てして、そして取り込もうとしたけど悉く失敗し、最期には自分の心すらも見透かされたべリアルからすれば、リクはもう認められなかったのかもしれませんよね……息子には完全に超えられてしまいましたし。
      そしてべリアルの心境も理解しているからこそ、子であるリクもかなり複雑でしょうね

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