ヒーローに憧れる朝倉リクは、歴代のヒーロー達と共に最大の危機に立ち向かう! 『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』感想

 上映日 2018年 3月10日

 脚本 根元 歳三

 脚本協力 安達 寛高

 監督 坂本 浩一

 既に公開されてから一月以上経過したので、劇場版ウルトラマンジードの感想も取り扱うね! もうネタバレとかも気にしなくていいだろうし。
 ギンガ以降から、ウルトラマンの劇場版はそのシリーズの完結編の意味合いがどんどん強くなって、またTVを未見の人でも楽しめるような作りになっている。今作も同様で、この一作にウルトラマンジードとウルトラマンオーブの魅力が余すことなく詰まっていた。
 3月2日に新宿ピカデリーで行われていた応援上映会で、一足先に劇場版を楽しめたことが嬉しい。

 

新たなる脅威と宇宙で戦うヒーロー達

 オーブとジードの物語で大きな脅威となったギャラクトロンは遥か昔より生み出されていて、自らの母星であるクシアすらも乗っ取ってあらゆる宇宙に進行を開始していた! しかも、クシア人最後の生き残りであるアイルがかなり古い時代に地球に辿り着いたことを考えると、ギャラクトロンは無数の宇宙で暴れまわっている可能性もある。
 光の国のウルトラマン達も追いかけているみたいだけど、その度にギャラクトロンを率いるギルバリスによって別宇宙に逃げられる。この時、タロウが登場したのは誕生45周年の一環かな? ウルトラマンやウルトラセブンと比較して、ちょっと地味な登場になるけど、今回のメインとなるヒーローを考えると仕方がない?
 そして現代の地球では、謎の飛行物体が飛来した。その中より現れたのは……ウルトラマンオーブにとって最大のライバルとも言える、あのジャグラーだった! 彼は相変わらずの怪しい笑みを浮かべた瞬間、地球に新型のシビルジャッジメンター・ギャラクトロンMK2! このギャラクトロンMK2がとにかく圧倒的な強さを誇り、べリアルとの戦いを乗り越えて強く成長したジードですらも歯が立たない。
 ジード・オーブ・ゼロの三人がかりでも苦戦を強いられ、そしてロイヤルメガマスターすらも簡単にサイバー空間へ放り込んだから、もしかしたらベリアルよりも強いのではないかと思ってしまう……

 

ギャラクトロン軍団に立ち向かうはウルティメイトフォースゼロ!

 ギルバリスの意志によってあらゆる宇宙に進行を開始するギャラクトロンを相手に立ち向かうのは、あのウルティメイトフォースゼロ! 2012年から2013年の『ウルトラゼロファイト』を最後に長らく登場していなかったから、スクリーンで再集結してくれたことが実に嬉しい。ジャンナインだけは『ウルトラマンギンガ』に登場したけど、それでもやっぱり懐かしい。
 グレンファイアーは相変わらずの破天荒ぶりで、ジャンボットは実直さゆえのネタも色々見せてくれたので、絵的にも見所が満載だった。特にグレンファイアーはいちいち台詞が面白いし。
 そしてジード本編では見られなかったストロングコロナやルナミラクルの形態も発揮して、絵的にも迫力満点だった。本編だと力を出し切れなかった分、今作では余すことなくゼロの本領を発揮してくれたことが本当に嬉しい。欲を言えば、ファイナルウルティメイトゼロも見てみたかったけど、流石にそれは贅沢か。
 本編の最後だと役者ネタなのか、ジャンボットがリクを見てナオを連想させていたけど、考えてみたらべリアル銀河帝国も8年前の映画になるんだね。濱田龍臣氏も大きくなってるし、あと2年経てば10周年になる……ランとナオは何をしているのかちょっとだけ気になってしまう。

 

あの風来坊……クレナイ・ガイが現れる!

 ギャラクトロンの謎を解き明かそうと、宇宙のあらゆる情報を集める男を探しに暗黒街に訪れたリク達。ケムール人やバド星人など、ガラの悪い宇宙人達が数え切れないほど不法滞在していて、怪しげな雰囲気が漂っている。
 で、明らかにガラの悪い宇宙人に絡まれたことで、ライハは自分の身を守るために……怒りの炎が燃え上がった! リクは止めようとしたけど、ドーにもならなかった…………実際、ここで舐められるような態度を取ったら、命を奪われる危険もあるから仕方がないのかも。
 酒場でのバトルが始まって、あろうことかジャグラーはレイトを武器(?)にして戦った! このアクションシーン、青柳氏と小澤氏の身体能力の高さが伺えて、また坂本監督のこだわりが感じられた。もちろん、濱田氏や山本氏だって監督から凄い指導を受けたからこそ、あそこまで派手に戦えたのかもしれない。
 酒場での戦いはヒートアップしていき、事態は大混乱。それを鎮めるか、あるいは更に加速させるのか……懐かしの音色と共に、あのクレナイ・ガイも参戦した! ガイはリク達を助けて、そしてジャグラーとも小競り合いを始める。けど今回のガイとジャグラーは比較的友好的で、ギルバリスと戦うために力を合わせてくれた。ガイはもちろん、ジャグラーもギャラクトロンの脅威は知っているからね。
 思わずリクに敬語を使ってしまい、またAIBのゼナとモアにも敬意を向けてくれるガイの姿は実に彼らしかった。この頃にもなると、ガイも先輩ウルトラマンの仲間入りを果たしたと考えると感慨深くなる。焦るリクを励ます頼りになる先輩になっているし。

 

沖縄を守ろうとするリクの決意と焦り

 ガイはリクに力を抜くべきだと諭してくれるけど、今のリクは多くの人から期待を背負っているから、どうしても焦ってしまう。ジードの地球にはこれまでのシリーズと違って防衛隊はいないし、AIBやネオ・ブリタニア号だってウルトラマンと比較するとどうしても見劣りする。
 何よりも、べリアルから地球を守ってくれたジードをヒーローと思っている子どもたちだってたくさんいる。彼らのことを守らなければいけないから、リクに向けられた期待はプレッシャーにもなってしまうんだよね。加えて、ギルバリスによってサイバー化された沖縄の人達を見てしまっては、突っ走るのも無理はない……だけど、リクの熱意は空回りしてしまって、彼を守るためにゼロとオーブが犠牲になってしまった! 
 それで感情が爆発して、ジードはギャラクトロンMK2を倒すけど、これは彼にとってあまりにも辛い結果に。自分を支えてくれたオーブと、長い間共に戦ってくれたゼロが一度に失ったリクの悲しみと罪悪感は計り知れない。この場にはレイトとジャグラーもいたから、二人に対しても後ろめたくなってもおかしくない……

 

失意のリクとジャグラーの戦い

 だけど、ここでリクを責める者は誰一人としておらず、ジャグラーすらもガイを失ったことよりも立ち上がらないリクの姿に怒りを覚えていた。自分が憧れた光の戦士であり、そしてべリアルの息子という呪われた運命を背負いながらも、ジードはそれを跳ね除けている。だからこそ、ジードが堕落するのはジャグラーにとっても耐え難いのかも。
 ジャグラーだって光の戦士に憧れたけど、なることができなかった。だからこそ狂ってしまったのだし、ガイに対するコンプレックスで苦しんでいた。今は吹っ切っているだろうけど、それでもガイを倒すという信念だけは揺らいでいない。ガイが認めたリクが倒れるのは、ジャグラーとしても許せないのかも。
 アイルのペンダントの力を借りて、ジャグラーも巨大化して戦った! 本来は巨大化できない彼だけど、こういう特別な機会に参戦してくれることが実に嬉しい。魔人態が巨大化したのはオーブのTVシリーズ終盤以来になるし。

 

朝倉リクを信じてくれた人達の願いが奇跡を起こす!

 ギャラクトロンやバリスレイダーの軍団は沖縄を破壊しまくり、そしてリク達にも襲い掛かった。だけどそんな彼らを救うために、ゼロとオーブの二人が駆け付けてくれた! 密かにゼロはシャイニングウルトラマンゼロの力で時間異動したから助かったみたいだけど、そのせいで消耗したのでまたレイトと一体化をして戦うことに。
 一方で、オーブも傷付いたジャグラーに手を差し伸べて、共にギャラクトロン達を相手に立ち向かった。かつてはマガタノオロチを倒すためにジャグラーがオーブの手を伸ばしたように、今度はオーブがジャグラーに手を伸ばす。この映画はジードやゼロはもちろんのこと、オーブのファンにも満足できるようなシーンがふんだんに詰まっていたから、これまでのシリーズを追いかけた人間としても見所満載だった。
 そしてリクを守るため、アイルは自らの身を盾にして命を散らせた……アイルの最期の願いと、リクを信じたライハやモア、ペガやゼナとの絆が奇跡を呼んで……ジードの新たなる力を解放させた。ウルティメイトファイナルへと!

 

ウルティメイトファイナルは最後の戦いに挑む!

 ウルトラヒーローとジャグラーはギャラクトロン達を次々と撃破して、ギルバリスが待つサイバークシアに乗り込んだ! ……だけど、ジャグラーは気まぐれを起こして、一足先に帰ってしまう。彼らしいと言えるし、ギルバリスの論理に対してもまともな答えを口にしそうにないかも。
 そしてこのギルバリスこそがギャラクトロン達を生み出した黒幕であり、またギルバリスへの対抗策としてギガバトルナイザーとギガファイナライザーが生み出されたから、ジードとべリアルにとっても因縁深い。
 ギルバリスの実力も圧倒的で、ウルトラマン三人が相手になっても簡単に倒すことはできない。ギャラクトロンMK2もかなりの耐久性を誇るけど、やはりギルバリスも半端ではない。
 だけど、ジードも負けなかった。ギルバリスが言うように確かに人間は不完全だけど、絆さえあれば乗り越えることができるから。ここでライハやレイトが密かにサボっているシーンが例えとして使われるのは、ギルバリスが語る不完全の定義とはちょっとズレていると思ったけど……穏やかな日常を過ごしてきたリクらしいかも。

 

再び訪れる平和。そして……

 ギルバリスを倒して、地球に再び平和が戻った。ゼロが率いるウルティメイトフォースゼロや、ガイとジャグラーは去っていく。今後のシリーズでジードが客演することがあれば、リクとレイトはセットになるのかな? 特にレイトはゼロに連れていかれて、また別の地球に行くこともありそうだし。
 ガイとジャグラーも争い合いながらも、最後にはやっぱり心を通わせて共に戦い合っていた。彼らもまた、別の機会でゲスト出演することがあれば、やっぱり一緒に力を戦ってくれそう。
 そして太平風土記にも新たな絵が書いてあったから、これからまたジードの物語が続いていくことが期待できるので、リク達とまた会える日もすぐに来るかも。

 一先ずジードの物語はここで完結したけど、やはり終わりを迎えるのはどこか寂しくもある。
 でもギンガやエックス、オーブとまた会えたように、ジードともいつか巡り会える。本日、新作ウルトラマンのルーブについても公開されたから、先輩として構えるリクが観れる日も遠くない?
 いつかまた、ウルトラマンジードと……そして朝倉リク達とも出会えますように。

 
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“ヒーローに憧れる朝倉リクは、歴代のヒーロー達と共に最大の危機に立ち向かう! 『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』感想” への2件の返信

  1. 映画を観た時、「リクが受けたプレッシャー」を読みとることができなかったんですよね。(一緒に観賞したチビッコのせいで集中して見られなかったことも多少なりとは原因があるとは思いますが。)
    一度乗り越えた悩みを再度繰り返すのかと思ってしまいました。
    「リクが受けたプレッシャー」を重点にもう一度観賞したいです。まぁDVD化されてからですけど。

    「失意のリクとジャグラーの戦い」でジャグラーの気持ちについて書かれていますが、なるほどと思いながら読ませてもらいました。
    改めて『オーブ』を観賞したら、なにか新たな発見があるかもしれないな。

    うまく文章にできず、ごめんなさい。

    1. コメントありがとうございます!

      リクのプレッシャーについては、私見なのですがTVシリーズではジードを応援する子どもたちの姿をたくさん見てきたので、その励ましはリクにとって力になっていたと思うのです。でも、同時に失いたくない存在にもなってしまうので、それだけプレッシャーになりそうな気がしたのですよね。
      特に今回はゼロがしばらく不在で、ジードだけで戦わなければいけなかったので。あと、やっぱり目の前で多くの人がサイバー化もされたら、焦るのも無理はない気がしたので。僕もDVDが発売されたら、また観返したいですね。

      ジャグラーの気持ちに関しては本編・オリジンサーガ・超全集を全て見ると、彼の挫折についても細かく書かれていて、結果的に人を助けている姿も見られるのですよね。そしてどんな時期でも、ガイにだけは絶対に負けたくないという意志は共通していると思うので。
      僕もオーブを見直すと、ジャグラーの内面について改めて考えさせられることが何度もあります。

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