HUGっと!プリキュア 第33話 「要注意!クライアス社の採用活動!?」感想

誰かと一緒にいたいのです
誰かのために歌を……

 放送日 2018年 9月23日 

 脚本 坪田 文

 演出 鎌谷 悠

 総作画監督 宮本 絵美子

 作画監督 松浦 仁美

 美術 今井 美紀

 

ツインラブに迫る悪評を前に、えみるは自分の在り方を悩む

 引坂理絵氏が語るように、何やら不穏な予感が漂うエピソードだった……
 ツインラブの人気は急上昇で、ニュースで流れるライブ映像にえみるとルールー、そしてはなも瞳を輝かせていた! でも、評論家によってツインラブがけなされてしまい、えみるは強いショックを受けてしまう……はなだったら、めちょっく! だけじゃ済まなそう。
 わたしの曲は中途半端と落ち込んでしまうえみるだけど、みんなの間に漂いそうになる暗い空気をぶち壊すかのようにパップルが現れた! かつては敵対するプリキュアの集合場所に平気で入れるようになったくらい、仲良くなれたのか。

 ミライパッドでおしごとスイッチをオンして、えみるとルールーはアナウンサーの姿になった! 
 でも、TVで悪く言われてしまったせいでえみるは落ち込んだまま……それでもお仕事だから笑おうとするけど、そんなえみるを励ますかのようにはなは「無理してわらわないでいいよ」と寄り添ってくれる。
 今のえみるの悩みを理解して、自分にも落ち込んでしまう時があると話しているけど、前の学校で一人ぼっちになって笑えなくなったはなだからこそ……笑えなくなる気持ちを共感できるんだね。

 一方、ビシンもハムスターの姿でクッションに八つ当たりをしている! そんなビシンを励まそうとリストルもハムスターの姿で向き合うけど、ビシンは聞く耳を持たない。故郷のハリハリ地区を一番に捨てたみたいだけど、痛い所を付かれたのかリストルの表情は暗い。
 そんなリストルはプレジデント・クライにクライアス社の新たなる人材確保を提案し、いよいよ動き出す時が来た……

 お仕事当日、ほまれとアンリはスケートの練習に励んでいた。
 ほまれの視線はハリーに一直線で、その瞳は相変わらず恋に情熱的な乙女の雰囲気に溢れている。だけど、肝心のハリーははぐたんのお世話で精一杯で、ほまれの視線には気付かない。ハリーにとってほまれは大切な仲間だけど、はぐたんは守りたい赤ちゃんだから仕方がないよね。フレフレほまれ。
 えみるの不調で、代わりにはなとさあやがアナウンサーを担当することになったけど、かなり様になっている。番組のディレクターも喜んでいるし、はなも憧れに一歩近づけたから、パップルはなかなか見る目があるね。

 だけどはなはいつものように調子に乗ってしまい、どこかズレたイメージを頭の中で浮かべてしまう……それでも、ほまれとアンリへのインタビューは上手く行って、二人は常に高い目標を掲げていることが伺える。
 そんな意識の高さがえみるにもプレッシャーになってしまい、人気者になるが故の宿命であるとパップルは語ってくれた。彼女は真剣みを帯びていて、昔は課長という地位に昇進して、そして今も起業をしたからこそ上に行き続けることの重みが理解できるんだよね。
 人気になればなるほど、誰かからの期待に応えなければならず、そして自分を貫く為には強くならないといけない。だけど、自己研鑽を失敗すると信頼を失うことにも繋がり、そして自分の世界すらも失ってしまう。
 輝き続ける人の光と影にきちんと向き合っているから、はぐプリからは美しさと恐ろしさが伝わってくる。

 

アンリの悩みとツインラブの悩みを被らせて、えみるはアンリの心に寄り添っていく

 人は強くならなければならないのか、とルールーは疑問を抱く。自分のやりたいことを続けるには、今よりも違う自分にならないといけない時もあるけど、その姿は自分の理想に繋がるとは限らない。
 アンリも人はわかり合うことはできないと、どこか諦めと達観が入った表情で呟いた後……マスコミからはルールーとの熱愛というありもしないでっちあげを報道されそうになってしまう。そして、世間の望むようには生きられないと、冷たく突き放したその姿は悲しそう。
 そんな彼の前にあのリストルが冷酷な態度で現れて、クライアス社への勧誘を行ってきた! リストルは名刺を渡して去っていった後、今度はえみるが現れてアンリの悩みに寄り添おうとするけど……徐々に望まない姿に変わっていくアンリの心をえみるは救うことができない。
 生き辛さを感じてしまうアンリだけど、えみるは正人の心を抱き締めてくれたアンリに感謝をしていて、自分を愛して誰かのために歌を届けるきっかけをくれた彼には朗らかな笑顔を向けてくれた。

 一方で、はなもルールーとえみるの悩みに寄り添いたいと決めている。二人の悩みを理解することはできないけど、手を離さないことだけは本当のこと。二人がはなのそばにいてくれたことの恩返しは、はなも二人のそばにいてあげることだけなんだね。
 アンリじゃなくて、えみるの悩みが解決してしまったけど……アンリは満足げに笑みを浮かべて、正人やルールー達の応援を胸に舞台に立った!

 

輝く明日を抱き締めようとするプリキュア達に、アンリはリストルの言葉を振り払う! だけど…………

 だけど、アンリは足に爆弾を抱えていて、しかもスケートの会場のBGMが唐突に止まるなどのハプニングが起きてスケートが台なしになりそうだったけど……ツインラブのサプライズで見事に調子を取り戻した。
 でも、ディレクターは更なるサプライズを目指すあまりにBGMを止めるに飽き足らず、ついにはトゲパワワを発してしまう。そんな彼はリストルが嫌いなタイプだけど、猛オシマイダーにするには充分みたい。
 猛オシマイダーにされてしまったディレクターによってアンリがさらわれてしまう! だけど本人はあまり焦っておらず、プリキュア達の助けを前にしても自分を貫き続けている。さすがはプロのスケート選手か(?)

 なんとか猛オシマイダーの手からアンリは解放されたけど、リストルが再び勧誘に走る。ハリーと一瞬だけ顔を合わせても、まるで昔のことを切り捨ててしまったかのように無視をしだした。
 そんなリストルの言葉をアンリは毅然と断り、自分はひねくれ者だと語りながらもプリキュア達にエールを贈ってくれた。アンリの言葉を抱き締めるかのように、プリキュア達は猛オシマイダーを浄化して、そしてアンリのスケートだって大成功!
 最後のインタビューでは誰もが自由に生きられる時代を信じながら、はな達に向けて「ありがとう、プリキュア!」と口にしそうになるけど、なんとかごまかすことができた! ほまれは絶対わざとかとジト目で見つめるけど、アンリは何のことかととぼけてしまう。

 平和になった夕焼けの中、えみるは自分の信じた未来を愛することを決めて、いつまでも一緒にいることを決めたルールーと手を取り合った。いつものように穏やかで、そしてえみるとルールーの絆の深さを感じさせる終わり方だった……だけど、物語はこれで終わらない。
 リストルの報告を受けたプレジデント・クライはどこかアンリを憐れむようなことを口にして、そして肝心のアンリも足に爆弾を抱えたまま。
 もう少しだけ持ってほしいと彼は願うけど、リストルから貰った名刺から溢れるトゲパワワに飲み込まれそうになってしまい……正人の呼びかけで一時は正気を取り戻してくれた。

 ありのままでいて、そして自分らしくいることには困難を伴い、どれだけ輝いていても苦難を抱えることになってしまうのは難儀な話。応援してくれる人はいても、その理想でいられる保証はどこにもない。そのままでいても、違う自分になろうとしても必ずどこかで否定する声も出てくる。
 アンリも、自分のままでいようとしても流れる時間には逆らえず、声や体形だって変わる。「なんでもできる」と掲げているけど、それが永遠に続く保証はないし、クライアス社の勧誘だって受け入れそうになったんだよね。
 今のえみるとルールーのように、アンリは自分を愛し続けられるのか……今日のえみるの励ましを忘れないでほしい。

 そして、かつては互いに否定し合っていたアンリと正人だけど、今は励まし合えるほどに仲良くなった。正人も、アンリの励ましになってくれるはず。
 Go!プリンセスプリキュアやキラキラ☆プリキュアアラモードでも『好き』という感情や『自分の道』を貫き続けるためのプレッシャーが描かれていたけど、今作ではどんな形で自分自身と向き合っていくのかが楽しみ。

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